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2008年10月13日 (月)

既存作品に見るストーリー構成/劇場版ガンバの冒険2

船内散策から状況の整理

仲間の顔見世がひと段落後、ボーボが船酔いに。ガンバはそれを馬鹿にしつつ活発に船内を見て回る。甲板に出て朝方の霧の海を見つめる描写あり。海は白っぽい表現で描かれているためガンバは海は牛乳で出来ていると表現。

その後、結局ガンバも船酔いにかかる。ボーボのただ船酔いになってとグッタリに比べカメラワークを揺らしたり、暴れてもがき苦しんだりと結構しつこい描写。そんなガンバを横目に仲間たちは忠太に改めて向かう先であるノロイ島の説明を求め状況説明に入る。内容は一貫して、ノロイは怖いです強いです残虐です。と、場の空気を一気に暗くするものへ。

説明を聞き静まり返る船内の中を船酔いしたガンバの戻す声が響き、今後の苦難と重ねる。ガンバは意識朦朧の中、ノロイに立ち向かうシーンを空想。返り討ちとなたっところで船内に霧が晴れたことを告げる光が射す。

ガンバは光を目指しフラフラの体ながら、はしごを上り「明るいところへ」「太陽を!」と甲板を目指す。そして太陽の下へと出たガンバの視界に入ったのは夜でも霧でも見えなかった真っ青な大海原だった。以上ここまで30分

このパートもやはりガンバの性格はきちっと描写されています。疲労してもあがく・もがくガンバ。昔の主人公らしい強気な性格の描写ですよね。そしてフラフラにながらもあがっていった甲板では憧れていた大海原をようやく目の当たりにするわけです。その前には忠太による島の説明という事務的な内容ながらもキチっと場の空気を盛り下げた上で憧れていた海を見せるという手法を用いたことで解放感をより強めた演出なのでしょう。時間的にも93分の作品で30分経過ですから一つ印象的なものをはさみたい時間です。

また、船酔いという地味な要素で困難を乗り越えた先には素晴らしいものが待っているというこれからのノロイという困難との対峙に対しての比喩的投影がみてとれます。メインの対象である子供たちが受け取れるかどうかは謎ですがこういう部分もあるから時の経った今でも名作扱いなのだと思います。ただ敵を次から次へと倒していけばいいってのとは一味も二味も違いますよね。

正直、冒頭部分の夜の海にがっかりの扱いとかもっといじらないのとか思ってたんですが、ストーリー構成においてもやはり緩急は大事だなぁと改めて思いました。ストーリー漫画を長距離走と捉えるのであればやはりペース配分は大事で抜くべきところは抜くということなんでしょうね。フルコース料理でもいきなり肉は出さないんでしょうし。夜の海、霧の海をちょこっとはさみ大海原を見せる。まさに三段活用の基本的手法な感じです。

もちろんストーリー漫画でも短距離だ、特に読みきりであればなおさら短距離だと捉えるのであれば最初から特定の要素をいじり倒すという手法もありえます。丁度、秋の新作アニメで鉄のラインバレルを見てたんですがやたら「正義正義」連呼する何やらお暑い感じでああいうのがスタートダッシュかまそうって手法なのかもしれません。シリアス度はまったく感じませんでしたがwでも過去に好きだったスクライドと絵柄も同じでそっち系の空気なのでしばらくチェックします。

ちょっと脱線しました。次回以降再び続きの感想です~。

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